全国各地にある大人のための映画館“ポルノ映画館”情報や懐かしの“ロマンポルノ”への思いを交換する掲示板サイトです。

ロマンポルノの思い出掲示板
 
ロマンポルノの思い出掲示板


- 記事No. 727 の全体表示です。返信フォームから返信出来ます。 -

【親記事】
ピンクの名作 その1
ぢーこ : 2021/10/19(Tue) 15:03 No.727
 
ここのところちょっとネタ切れのようなので、視点を変えてピンク映画の名作について書いてみたいと思います。

下書きしていたらあまりに長くなってしまい、容量オーバーで入り切らなかったので2つに分けます。

取り上げたいのは1983年10月公開の「連続暴姦」(新東宝)。監督は「おくりびと」で一躍有名になった滝田洋二郎である。
2009年に滝田洋二郎がアカデミー賞を取ったことで、この「連続暴姦」も結構注目されたみたいだ。もっともそれはピンク映画ファンに限られていたけど・・・・。

シネポ様の映画館勤務時代にも「連続暴姦」が上映されたのではないでしょうか。その時の状況を覚えておられたら教えて頂きたいです。

当時の滝田洋二郎は「痴漢電車」シリーズなどコミカルな作品を主に撮っていたのだが(殆ど見ていないけど)この作品はシリアスでサスペンスタッチ、いくつもの伏線が隠されており、思わず引き付けられてしまう。ネット上にレビューがいくつか載っているがどれも評価が高い作品です。



完全ネタバレしているので、映画のハラハラ感を体験したいのなら以降は読まないで下さい。
敬称略で書き進めていきます。


作品はセーラー服の女子高生が若い男に追われている場面から始まる。女子高生は林の中に逃げ込むがそこで捕まってしまいレイプされてしまう。
これは映画の1シーンだった。映画の中の映画なので話がややこしい、以降「映画」と書いてあるものは「映画の中の映画」ということにする。なおこの映画の題名も「連続暴姦」である。

ただ、このレイプシーンは酷いもので、女子高生役は佐々木裕美という女優なのだが、レイプされているのに表情が全く出ていない。嫌がっている台詞はあるのだが口は全く動いていない。
佐々木裕美の名前で「日本映画データベース」を検索しても別人が出てくるだけ、「連続暴姦」の出演者にも載っていない。映画の友では西沢百合子の名で紹介されている。西沢百合子で検索をかけると同年に1本出演があるがその1本だけ。演技力がないのか、それとも監督の意向で無表情の演技をしているのか?かなりの謎だ。

この作品の舞台は今はなき東京の上板東映になっている。

この映画館の映写技師・勝三(大杉漣)は映写室からこのレイプシーンを見ていた。レイパーの太腿に蛇の刺青があるのを見て勝三の顔色が変わった。明らかに動揺している。映画館の支配人(螢雪次朗)が声を掛けても上の空だ。さらに仕事を放棄して映画館を飛び出してしまう、映画館の従業員・波子(麻生うさぎ)が声を掛けても無視。「誰にも見られてなかったはずだ」とつぶやき自分の家(アパート?)に帰ってしまう。

波子が勝三の部屋を訪れる。『支配人怒ってたよ』と伝えにやってきたようだ。玄関で立っていた波子に『入りなよ』と勝三が声をかけると波子の表情が緩む、どうやら勝三に気があるようだ。2人は酒を一緒に飲み始める、そしていきなり勝三が波子を押し倒す。一瞬だけ拒絶する波子だったがあっさり勝三を受け入れる、まんざらでもないようだ。勝三のズボンを脱がすと太腿には蛇の刺青があった、映画の男と同じだ。これは一体・・・・。

翌日、勝三は映画の配給会社を訪れていた。対応に出た配給会社の企画部員・駿河(末次真三郎)はこの映画が脚本家の過去の記憶を元に作られた事、脚本を書いたのはエンター石油に勤める山崎千代子というOLであることを伝えた。駿河は煙草を吸う為に勝三に背を向けたがその隙に勝三は消えてしまった。「山崎千代子というのは・・・・」と言いかけた駿河の言葉を聞かずに・・・・。

翌日の映画館、勝三が映写室から映画を見ている、ちょっと憔悴している様子だ。映画のレイプシーンでは男がレイプしながら女子高生の首を絞めて殺してしまう。それにしてもこの映画館、映し出される度にこのレイプシーンが出てくる。常に『いや、やめて・・・』の声が館内に響き渡っている、「他のシーンはないのか?」と思うほどだ。

場面が変わり、あるオフィスのトイレ、1人のOL(竹村祐佳)が化粧を直している。名札に「山崎」と書いてある、例の山崎千代子らしい。そこへ冬子(織本かおる)がやってくる、2人は普通の関係ではないようだ、千代子が冬子に対してマウントをとっている。

エンター石油のビルの前に勝三がうろうろしている。千代子が会社から出てくると男が『山崎さん・・』と言寄ってくる、勝三は山崎千代子を認識したようだ。千代子はその後冬子の部屋にやってきた、そしてレズプレイが始まる。でも冬子は千代子を何となく嫌っているようだ。

数日後、千代子が人気のない夜道を1人で歩いていると勝三が声をかける。『映画をみせてもらったよ』と言うが千代子は何のことだか分からない、勝三は千代子に襲いかかり、レイプした挙句絞殺してしまう。

翌日?駿河が血相を変えて恋人冬子の部屋にやってきた、山崎千代子が殺されたという新聞記事を見て慌ててやってきたのだ。でも冬子は『そう、あの人殺されたの?』と素っ気ない。レズの相手なのに・・・。やはり冬子は千代子をを嫌っていた。
実は映画の脚本を書いたのは山崎千代子ではなく冬子だったのだ、山崎千代子というのはペンネームにすぎなかった、冬子は同僚の名前を拝借していたのだ。
そして冬子は12年前、姉・秋子(織本かおる・二役)がレイプされた挙句絞殺されたことを駿河に伝えた。
『右足の太腿に赤い蛇の刺青をした男が私の姉さんを犯して殺したの・・・・・』

でも、この言葉には何となく違和感がある。主語が男になっているが普通は自分に近い姉が主語になるのではないか?
『私の姉さんが蛇の刺青をした男に犯されて殺されたの・・・』と言うのが普通ではないかと思ってしまうのだが・・・。

そして直後、そのレイプの回想シーンが流れるのだがこのシーンは映画と同じ林の中で場所は同じなのだがリアルさが映画と全然違う。
まず遠景、男が少女にのしかかっている。男のズボンは既に脱げ、少女の膝には白いものが。少女の胸は完全にはだけ、肩のあたりに僅かにセーラー服が絡んでる。そこから一気に少女の顔にズーム、少女は苦悶の表情を見せている。この間およそ10秒。そして次の瞬間男の手は少女の首を絞めにかかる。それを幼い子が見ている、子供の時の冬子だ、そして少女は息絶える。
全体で1分ほどの短いシーンだが、よく撮れている。映画のシーンが何とも情けないから余計にリアル感が出ている。監督はこのシーンを強調するために映画のレイプシーンで佐々木裕美にあんな酷い演技をさせたのだろうか?それとも佐々木裕美がド素人だったのか?
レイプされる織本かおるにセーラー服を着せるのはちょっと無理があるかも知れないがカチューシャをつけさせて少女らしく見せているし、1分程度のシーンだからまあいいだろう。

回想シーンのあと、1つの白い手袋がテーブルに置かれた、回想シーンの最後に残っていたものだ。冬子曰く、『どこにでもある手袋だけど、透明のテープが張り付いている。調べたら映画のフィルムを繋ぐときのテープだった』
これにも違和感がある。普通こういうものは警察が持っていっちゃうでしょうに。ということは冬子が拾って警察に見せることなく持ち帰ってしまったということか。それに映画のフィルムを繋ぐテープって、警察の鑑識が調べるならまだしも素人が調べてわかるものなのか?

ちなみに、映画のフィルムを繋ぐテープってかなり高価なものらしい。10年くらい前ピンク映画の関係者の方に聞いたことがあるけど、見た目は普通のテープと変わりはないが、1本5000円くらいするそうだ。

テープの話になって駿河が思い出したように語った。『そういえば昨日、上板東映の映写技師があの映画のことを聞きにきた』『ライターの名前を聞かれて山崎千代子ていうペンネームを教えたものだから、本当の山崎千代子が殺されたというわけか・・・』

これで、謎の部分が全てつながった。
冬子は山崎千代子というペンネームを使った時点で彼女が襲われるのを予想していたのだろう。

駿河は『警察に行こう』と冬子に言うが、冬子は『あいつを自分の手で裁かない限り私は人を好きになれない』と拒否する。そりゃ警察に行ってしまえば問題はいとも簡単に解決してしまうが作品はそこで終わってしまう。
けれども、『あいつを自分の手で・・・』という言い分はいかがなものか?もっと他に良い表現はなかったのかと思う。

つづく
[返信]
[修正]
ID:P5qbDV.OXw

【レス記事】初めのレスから表示
6.  ぢーこ様へ
シネポ : 2021/10/29(Fri) 22:40 No.733
 
ま〜ったく、全然、気になることなんてありません。いつも楽しみに、そして感心しながら拝見しています。
どうか、どうか、このまま、このような書き込みを続けてください。逆にわたしの書いたことで、ぢーこ様を委縮させてしまうことになったんじゃないかと、わたしの方が気にしてしまいます (-_-;)

ぢーこ様、ロマンポルノ大好き、成人映画大好き、それをエエ歳こいだおっさんが嬉々として書き込んでいるというこの掲示板を、どうぞこれからも盛り上げていただきたいし、どんどん書いてもらいたいです。よろしくお願いします。

お気遣いありがとうございます。
[返信]
[修正]
ID:/XTP5GkasE
5.  [→731] Re: ごめんなさい
ぢーこ : 2021/10/29(Fri) 22:06 No.732
 
>それにしても、映画ファンの方って、映写用の特殊テープまでご存知なんですか?

いや、さすがにそこまでは知られてないと思います。ただ、画面を映し出すのにフィルムを使うことは分かるでしょうし、そのフィルムが破損したりしたら補修するテープが必要でしょう。編集するにしてもテープが必要なことは分かります。言われてみれば「ああ、そうだよね」というくらいの感覚でしょうか。
ただ、それが特殊(非常に高価)なものであるということまではあまり知られてないと思います。


>どうか気になさらずに、また書き込みください。

ごめんなさい、書き込みの時は結構気にしていることがあってどうしても慎重になってしまいます。

実は私、空気を読んだり字間を読むのが酷く苦手なのです。

過去にはいろいろな掲示番で空気を読まないまま勢いにまかせてどんどん書き込んでしまい、顰蹙を買ってしまったことが何度もあります。
その反省からこんな表現で恐る恐る書き込んでいるのが現状です。

何か気が付くことがあれば直接的な表現で仰っていただけると有り難いです。
[返信]
[修正]
ID:P5qbDV.OXw
4.  ごめんなさい
シネポ : 2021/10/25(Mon) 11:42 No.731
 
ぢーこ様、続いての書き込みありがとうございます。

あっ、勘違いなさらないでくださいね。ピンクの名作についてのご意見、ご感想がこのロマンポルノスレッドの趣旨から外れていると言っているんではありません。ただ一応そういうスレッドなんで、繋がっていけばいいのかなということです。
ロマンポルノとピンクって、別物ではあるんですが、やはりどこか繋がっていますよね。俳優さんでは、白川和子さん、谷ナオミさん、宮下順子さん、原悦子さん、久保新二さん、大杉漣さんなど、ピンクでデビューですが、ロマンポルノにとって欠かせない俳優さんたちですし、監督も滝田さん以外にも、渡辺護監督、山本晋也監督、廣木隆一監督など、日活で代表作と言われる作品を残していらっしゃる方も多いです。なので、そういったところに少しでも触れていただければ「ピンクの名作」というのも全然OKですよという意味だったんですが…。
すいません、わたしの文章力不足でした。お許しください。

それにしても、映画ファンの方って、映写用の特殊テープまでご存知なんですか?
若い頃のわたしは自分で結構映画ファンだと自認しておりましたが、梅田日活に入社するまで、映画フィルムを各映画館で独自に編集したり、フィルムが切れたら修繕したりするということはまったく知りませんでした。いや、入社してもしばらくは知らず、映写について少し学んで、ようやく知ったという感じでしたよ。なのであのトリックに、どれだけの人が感心するんだろうと思ったぐらいなんですが…。どちらにしても、映画関係者にとっては日常的なテープなのに、関係者以外にとっては特殊なテープ、そこが味噌なんですよね。コロンボや古畑任三郎なら、あれ、何かこのテープ違うぞ、とそこから疑問を感じていくという展開ですか。そこらあたり、とてもうまいシナリオだと思います。

ということでぢーこ様、どうか気になさらずに、また書き込みください。楽しみにしております。
ありがとうございました。
[返信]
[修正]
ID:/XTP5GkasE
3.  [→729] Re: 『連続暴姦』について
ぢーこ : 2021/10/23(Sat) 22:54 No.730
 
シネポ様

返信、ありがとうございます。

>普段お付き合いのない劇場ということで結構高額の映画料を請求されたことを覚えています

なるほど、映画館と映画会社のお付き合いっていろいろな形態があるのですね。


>特に映写専用テープがトリックのひとつに使われていたというのには驚きましたが、これってわたし自身の経歴だからこその驚きで、一般の方にとってはどれほどのもんなんだろうと不思議に感じたことを覚えています。

一般の方と言っても観客は(ピンク)映画ファンなのですからそんなに違和感はないと思いますよ。舞台が映画館だけに映写室の中を見ることが出来たりして映画ファンにとっては興味をそそられる描写も多いと思います。ただ、カラミの最中なのにお客がどんどん帰っていく場面はさすがに??ですけどね(笑)。


>滝田監督、高木功脚本では、『連続暴姦』も新東宝での一連の「痴漢電車」ものも好きですが、わたしは日活でのナンセンスコメディの快作『桃色身体検査』、ファンタジーコメディーの傑作『タイムアバンチュール 絶頂5秒前』の方が好きかも、です。

滝田監督というと成人映画では「コメディ」というイメージが強いのではないでしょうか。私はコメディは苦手なので滝田監督の他の作品は見たことがないのですが、この辺りの評判も高いように思います。


>こういう書き込みもありがたいです。ま、でも、一応ロマンポルノ掲示板ということですから、

そうですよね。強く記憶に残っているロマンポルノ作品もいくつかありますので、折を見てレビューを書いていけたらいいかなと思います。
[返信]
[修正]
ID:P5qbDV.OXw
2.  『連続暴姦』について
シネポ : 2021/10/20(Wed) 12:53 No.729
 
ぢーこ様、ものすごくお気遣いいただきながらの書き込み、ありがとうございます。
この作品への思いが伝わってきます。

まず、わたしの勤めておりました梅田日活劇場では『連続暴姦』は上映しなかったです。
以前も書いたような気がするんですが、わたしが勤めだした頃は同じビルの中に成人映画の劇場が4つありまして、2階の梅田日活と3階の梅田ローズをうちの会社が経営してました。あと地下1階にオークラ地下劇場、地下2階に東梅田シネマがあり、それぞれ別の会社が経営されていました。で、梅田日活が日活とエクセスの契約館、オークラ地下が大蔵映画の契約館、シネマが新東宝の契約館で、契約している会社以外の映画は上映できないというお互いの取り決めの中、それぞれが営業をしていました。
そんな中、最初にオークラ地下が閉館となり、大蔵映画の上映はうちで引き継ぐことになり、ここで初めて各館のブッキング制が崩れたことになるのですが、シネマは健在でしたので、うちでは新東宝の作品は相変わらず上映できませんでした。
そして後に東梅田シネマも閉館となり、新東宝作品もうちで上映できるようにはなったんですが、うちとしてはロマンポルノ週間1週、エクセス週間2週、大蔵週間1週というローテで月間の番組を組んでいたものですから、新東宝の作品を入れる余裕がまったくなかったんですね。なので結局最後まで新東宝のレギュラー上映はありませんでした。
ただほんとにまれに、特別な特集上映をやったとき、周防監督特集のときには『変態家族 兄貴の嫁さん』、林由美香追悼特集のときには『痴漢電車 いやらしい行為』などを新東宝社に頼んで上映させてもらったことはあるんですが、普段お付き合いのない劇場ということで結構高額の映画料を請求されたことを覚えています(笑)。
ということで『連続暴姦』へのお客様の反応については残念ながら分からずです。ご期待に沿えなくて…。

わたし自身はこの『連続暴姦』の評価が定まって、名画扱いされるようになってから見ました。特に映写専用テープがトリックのひとつに使われていたというのには驚きましたが、これってわたし自身の経歴だからこその驚きで、一般の方にとってはどれほどのもんなんだろうと不思議に感じたことを覚えています。大杉漣さんのピンク時代の代表作にあげる方も多いですね。

とりあえずぢーこ様からのわたしへのお尋ねに対して記してみました。作品そのものへの思いはまた次の機会にでも。
ぢーこ様、こういう書き込みもありがたいです。ま、でも、一応ロマンポルノ掲示板ということですから、わたしから少しだけでも触れておきます(笑)。
滝田監督、高木功脚本では、『連続暴姦』も新東宝での一連の「痴漢電車」ものも好きですが、わたしは日活でのナンセンスコメディの快作『桃色身体検査』、ファンタジーコメディーの傑作『タイムアバンチュール 絶頂5秒前』の方が好きかも、です。

ありがとうございました。
[返信]
[修正]
ID:/XTP5GkasE
1.  ピンクの名作 その2
ぢーこ : 2021/10/19(Tue) 20:58 No.728
 
翌日、駿河が上板東映にやってくる。そして波子に『連続暴姦は本当にあった話で、犯人の特徴が映画の中に描かれている』そして『ライターが連続暴姦の続編を書き始めているということを勝三に知らせてくれ』と言って去っていった。

映画館の客はみんな帰ってしまい、支配人も帰っていった、残っているのは波子と勝三だけだ。波子は勝三に会おうと映写室にやってくる。だがそこに勝三はいなかった。波子はふと映写室ののぞき窓から映画を眺めた。ちょうどレイプシーンの最中で(映画館の映像が流れる時はいつもレイプシーンの最中だが)、強姦魔の太腿に蛇の刺青を見つけ、そして駿河の言葉を思い出した。波子は勝三がかつて強姦殺人を犯したのだと知った。
直後、勝三が現れる。震える波子。波子は連続暴姦のライターが続編を書いていることを伝えた。勝三は一瞬動揺する『そんなバカな・・・』殺したと思っていた目撃者が生きてまだ生きているのだから当然だろう。

波子は勝三に『一緒に逃げよう』と怯えながら言うが、勝三『俺の過去を知った奴はみんな殺してきた』と意気込む。映写室から逃げ出す波子。
波子は1階の客席の方に逃げる。しかし、スクリーンの前まで来てしまえば行き止まりだ。『誰にも言わないよ・・・』と懇願する波子。波子に馬乗りになり首を絞める勝三、そこはスクリーンのあるステージ、そしてスクリーンでは絞殺シーンが流れている。映画の絞殺シーンの前で繰り広げられる絞殺、なんともシュールだ。
そして(ひとつのシーンを挟んで)勝三が波子の死体を担いで深夜の林の中を歩いて行く、死体を林の中にでも埋めるつもりか。

ここにいくつかのツッコミ所がある。まず、波子の逃げる方向。映画館の外に逃げれば簡単に逃げられるのに逃げた先は行き止まりの客室、これは現実的ではない。次に、林の中を死体を担いでいくのはいいが、映画館からどうやって運び出すのか?深夜といえどもそこは東京、仮に車を使ったとしても車に積み込む時に通行人くらいいるだろうに・・・。

まあ、これは「スクリーンで絞殺シーンが流れている前での絞殺シーンを撮りたかった」ということに他ならないのだろう。ある程度やむを得ないと思う。

あと、勝三が「自分の刺青と映画を見れば自分が殺人犯であることがわかる」状態なのに波子とSEXするのはどうだ、SEXすれば自分の刺青が見えてしまうのは分かりきっているのに・・・・。波子の首を絞める際、『何で(見るなと言ったのに映画を)見たんだ』と叫んでいるが、それだけ「愚かな犯罪者・・・」ということなのだろうか。これも流れの内だから仕方ないか・・・・。

翌日、駿河が上板東映にまたやってくる。しかし勝三はそこをもう辞めていた。嫌な予感がした駿河は冬子の部屋に行くが彼女は帰っていない。この時既に冬子は勝三に追われていた。

ここでこの作品の最大の欠陥がある。この時点まで勝三と冬子の接点がないのだ。山崎千代子を襲った時は会社の前で待ち伏せしたりしてちゃんと接点が作られているが、冬子にはそれがない。ひとつ前のシーンで駿河が冬子に『今日、会社にあの男から電話があって冬子のことを聞かれた』と話しているのが精一杯の接点になるが、電話では冬子の顔とか容姿とか分からないし殺人犯であることが分かっているのにベラベラと冬子のことを喋るはずないし・・・・。監督としてはもう少し尺がほしかったのではなかろうか?

さて、ここからがクライマックス。
勝三に追われた冬子は縫製工場の跡らしい廃屋に逃げ込んだ。追い詰められる冬子、(あらかじめ用意していた)果物ナイフで勝三を刺そうとするが失敗、武器のなくなった冬子は組み敷かれてしまう。そしてお約束のレイプ・・・。だが冬子はあまり抵抗しない、反撃のチャンスをうかがっているのか?
レイプが終わって勝三はタバコに火をつける、レイプの最中に胸のポケットからタバコの箱が飛び出している。これは何かの暗示かそれとも偶然なのか?そして急に思いついたのかライターの火を最大にして冬子の顔に近づける、火で顔を炙って遊ぼうというのか?
ところが、ライターの火が突然消える、点火しようとしてもなかなか火がつかない。その隙に冬子がハンドバッグにそっと手を伸ばす。次にライターの火がついた瞬間、冬子が勝三に向かってヘアスプレーを吹きかける。ヘアスプレーのガスは可燃性がある、ガスにライターの火が着火してあたかも火炎放射器のように炎が勝三に放射され勝三の顔を焼いた。この時ばかりと冬子が脱兎のように逃げる。

勝三は眼も焼かれたようだ、あまり前が見えない。
それでもわずかに見える光をたよりに冬子の姿を確認する。そして棒(落ちていたマネキンの腕)を振り上げ冬子のところに走って行き殴りかかる。だがそれは冬子の姿が映った鏡だった。鏡を破壊し、そのままの勢いでその先にある窓ガラスに突っ込んでしまい窓から飛び出す。ここは2階、地上に転落した勝三は絶命してしまう。

眼が見えづらくて鏡に映った冬子に殴りかかるというのは面白い発想だと思うが、「鏡に向かっていったのなら自分の姿が写ってしまうのではないか?」と初めて見た時疑問に思った。だが、改めてよく見てみると鏡の少し横から殴りかかっている。これなら自分姿は映らないし、ちゃんと
冬子だけ鏡に写っている、リハーサルを何回もやって上手く写るようにしたのだろう、改めて見るといいシーンだ。

冬子の復讐は終わった、冬子は無表情に勝三の死体を見おろしている。ここでエンディングとなる。



終始、喜怒哀楽を表さない織本かおるの演技が印象的だった。姉が殺されるのを間近で見ていたという設定だったのでそういう演技になったのだろうが、よく表現されていると思う。

あと、大杉漣も素晴らしかった。当時、下元史郎とか大杉漣とかピンク映画の俳優さんの中でもよく知っていたけれど、後年、こんなに有名な俳優になるなんて当時は全く思いもしなかった。亡くなられたのが残念です。

「鏡に映った冬子」「ヘアスプレーが火炎放射器に」「ペンネームの秘密」「スクリーンの絞殺シーンの前での絞殺」サスペンス的な見所が一杯あって最後まで見飽きない素晴らしい作品だと思う。ツッコミ所はいくつもあったけど予算の限られているピンク映画だからそれは目をつぶってもいいだろう。いや逆にピンク映画でこれだけのサスペンスが描けるのは凄いことだと思う。滝田洋二郎はこの時から既に「ただ者ではなかった」というわけだ。


一番印象に残ったのは冬子がペンネームを拝借しただけで山崎千代子が殺されてしまったこと。自分の手をかけずに嫌な人間を消すのに「こんな方法があったのか・・・」と思ってしまった。
でも、実社会でこんなことが起こったらどうなるのだろうか?その人間が殺されるかも知れないと分かっていながらペンネームとしてその名前を拝借することは何か責任が問われるのだろうか?また、民事訴訟になったらどうなるのだろうか?
一度、法律の専門家に聞いてみたいものです。


シネポ様

こんな長いのを書いちゃいましたけど、いいですか?
ちょっとBBSの趣旨から外れてしまうような気もするのですが・・・・。
[返信]
[修正]
ID:P5qbDV.OXw


返信フォーム
お名前 トリップ機能あり
タイトル
メッセージ
添付File1
添付File2
添付File3
(gif jpg png/2MBまで)
暗証キー (英数字で8文字以内)
文字色
返 信 返信無効にする
投稿後このスレッドに戻る

修正・削除
NO: PASS:

ロマンポルノ情報交換掲示板 ポルノ映画情報交換掲示板

北海道・東北地方の映画館 関東地方の映画館 甲信越地方の映画館 東海地方の映画館 関西地方の映画館 中国・四国地方の映画館 九州・沖縄地方の映画館 映画館リンク

Twitterで表示
Copy Right K - Movie Co.,Ltd. Since 2011