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いし様、ぢーこ様、続いての書き込みありがとうございます。
ぢーこ様がお書きになった、町中でのポスター貼りについて、わたしの知っていることを記しておきますね。 ポルノ映画のポスターを映画館の規定の場所以外のところに掲示するのが禁じられたのは、1985年のことだそうです。風俗営業法という法律が大幅に変更されたことによります。 1984年に風営法が時代に沿うように大体的に改正されるという法改正が成立、翌85年から施行されることになりました。俗に言う「新風営法」と呼ばれるものです。この法律は性風俗の取り締まりと闇営業の排除を強化するのが目的で、それぞれの性風俗店を完全登録制にし、ちゃんと法律厳守するなら営業そのものは認めるというもので、その代わり営業時間は24時までとするという内容でした。当初ポルノ映画館もその風俗営業店の範疇になっていたんだそうです。完全に国から優良店としての営業を認められるなら、ポルノ映画館として健全な営業ができると、当初は映画館側も賛成だったようですが、そこに困った問題が出てきました。そうです、営業時間のことです。 認可を受けると、24時までしか営業できない。当時はポルノ映画館にとっては、あるいは名画座といったところでもそうですが、映画館のオールナイト営業というのはドル箱だったんですね。 わたしの勤めていた映画館は大阪梅田の繁華街にあったので、なんと毎日365日無休のオールナイト営業をしていまして、昼間の稼ぎより夜間の稼ぎの方がはるかに良いぐらいでした。 週末だけオールナイトをしているところでも、その晩の売り上げは大きなウエイトを占めている、そんな時代でした。 なので「新風営法」の範疇に入れられるとオールナイト営業が出来なくなる、それは営業的には厳しいと、全国興行組合連合(映画館が作っている業界組合ですね。通称、全興連)を通して、映画館を「新風営法」から外してもらうという運動を行いました。 映画館側、映倫、警察などとの協議が何度もなされ、ポルノ映画館をその法律から外す代わりに、ポスターは劇場の決められた場所以外には一切掲示しない、未成年者を刺激しない掲示方法に変える、そして女性や未成年者に配慮してポスターの写真から女優の乳首や尻、性具、あるいは扇情的な表情やポーズをとらないデザインとするといった条件で、ようやく決着したという経緯があるんです。 そこからですね、町中にポスターを貼れなくなったのは。 なので、1985年以降のロマンポルノやピンクのポスターには、女優さんの乳首やお尻は一切写っていません。 ポスターでの乳首が解禁されるのは、そこから20年近く掛かってしまいます。
なので、ぢーこ様がご覧になった風景は、84年以前は割とどこの町でもあった普通の風景でもあったんですよね。特に地方都市では、招待券を渡す代わりに煙草屋さんの軒下とか、風呂屋さんなどにポスターを貼ってもらうというのは日常だったようです。あ、もちろん風呂屋では男湯の方だけですけど(笑)。
すいません、わたしの入社前の出来事で、当時の先輩社員の方から教えられたことですから、細かい経緯まで自信はありませんが、大まかにはこういう流れです。
ちょっといし様やぢーこ様が書いてくださったことからはズレてしまいましたが、町中でポスターを見たといった書き込みでしたので、ついでに書かせていただきました。
ありがとうございます。 では、引き続きよろしくお願いいたします。 |
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